口上:きわめて個人的に趣味的な年表です。生物学を中心に各方面の出来事を羅列してみましたが、なかには生物学と一見関係のない事項も含まれています。が、まったく関係がないかというと、必ずしもそうでもないような、、、。また、テーマごとに色分けも試みましたが、これもまた完璧ではなく、逆に生物学の問題が必ずどこかでつながっていることが分かります。特に20世紀末にいたって色分け不可能な事項が増えてくるのが面白い。ご意見ご感想お待ちします(S. Kuratani; e-mail: saizo@cdb.riken.go.jp)。
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前5-6世紀 | ・Anaximandros; 進化論の原始的形態, 太陽が泥を暖め, はいあがった動物が殻を脱ぐ;このような「進化」段階はヒトの個体発生上現れる=★反復説? |
前5世紀 | ・Alkmaion;ピュタゴラスの弟子?;動物の解剖, 脳と視神経と眼の関係;視覚に関する学説;ニワトリ胚発生の観察;エウスタキオ管の発見 |
前5世紀 | ・Empedocles;四元素説;人間は主に血液によって考える;進化的生物の由来(地中から生ずる);アナクシマンドロスと同様な反復を推測(宇宙の創成を縮小したかたちで繰り返す) |
前4世紀 | ・Hippocrates;体液説, 四元素説との関連 ・Plato; 「ティマイオス Timaios 」からだや霊魂に関する空想的思弁;充満の原理 |
前4世紀 | ● Aristotle; 生物学の祖, プラトンのイデア論に始まる「充満の原理」の自然界への適用;「連続の原理;大いなる存在の連鎖」天動説にもとづく体系,
実証的観察の模範, 目的論的解釈(アリストテレス的目的論は17世紀まで支配的となる), 50種の動物を解剖「動物誌 Historia
animalium」「動物部分論 De partibus animalium」「動物発生論 De generatione
animalium」「動物進行論 De incessu animalium」「霊魂論 De anima」 ハ分類の基準:有血動物(人類, 胎生四足類, 卵生四足類, 鳥類, 魚類) 無血動物(軟体類, 軟殻類, 有節類, 殻皮類) ハ生物の系列的配置=自然の階梯(scala naturae)(植物→カイメン→ホヤ):経時的な進化とは関係がないが、この序列自体が個体発生における経時的変化のアナロジーになっていると、グールドはいう;クジラ類を哺乳類に近いものと位置づけた;ヒトの発生と生物の歴史の間に類推(=アナロジー)に基づく★関連性を見出だす ハ自然の中の規則性を認識, 目的論はない;生理学においては心臓血管系を中心に据えた;発生学は決められたゴールに進む目的論(したがって★後成説としてしばしば位置づけられる);★自然発生認める;ニワトリ発生の詳細な観察, サメが胎生であることを発見, タコ, イカの発生観察;卵は質料を, 精子は形相因と動力因を提供;12世紀になってトマス=アクィナスが処女懐胎の理由付けに用いる 前3世紀 ・テオフラストス;「植物誌 Historia plantarum」民間伝承, 本草学, 記載, 植物発生学 |
60 | ・ディオスコリデス;「医薬資料について De Materia Medica」19世紀まで用いられる, これにより「植物学の祖」と呼ばれた |
77 | ● プリニウス;「博物誌 Naturalis historia」アリストテレスからの引用多し, 神秘観, 「誤謬の倉庫」とも呼ばれた |
2世紀 | ・Galenos; 血液学説, 循環の概念はなかった;ギリシア医学の独創的時代;ギリシア自然哲学の伝統の上にある |
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